2011年7月5日火曜日

「M. Rex」徹底解剖☆+


"M.Rex" by Aaron Sowd, Joe Kelly and Duncan Rouleau (1999)



一昨日は「ジェネレーター・レックス」の原コミ「M. Rex」(1999)をくざっくりと紹介しました。

しかし、「M. Rex」はそうあっさり片付く話ではないのです。今回は理解があいまいな部分の紹介、ネタばれ、そして私の極論とさらに大胆に解剖していきます。あと、前回誤訳があったので書き直しをしました。ぜひ、今回のものと合わせて御覧になってください。 前回の「M. Rex」徹底解剖☆ ≫


〈各巻あらすじ〉

◆第1巻◆
 過去の記憶のない少年レックスはスピルケンと泥棒・密売をしながら暮らしていた。ある日、億万長者サイモン・バベッジの創設したHV社はホラー映画の作成に乗り出し、主演女優ミーア・ムーアや関係者を客船に集めパーティーを催す。船内に侵入する仕事を受け負ったレックスは船内でスピルケンと別行動を取っている最中にシックスの連れていた猿に追われる。レックスはそのパーティーのステージの下で隠れ、身動きがとれない。ステージの異変に気がついた猿がサイモンとミーアのいるステージに襲いかかろうとした瞬間、サイモンは自分の殺人ロボットを作動させる。ミーアをロボットから助けようとステージ下から飛び出したレックス、サイモンの静止を振り切りレックスを助けようとするミーア、そしてミーアを助けようとステージに上がったシックスの三人がロボットの眼前に出てしまう。ロボットの攻撃が放たれる瞬間、レックスは無我夢中で巨大な拳型のマシンを作り、ロボットを握りつぶす。

◆第2巻◆
 船上の事件の後、エヴォとしての能力に目覚めたレックスは乗り物型のマシンで住みかに戻る。それを見たスピルケンはレックスをモロッコの王に売る計画を立てる。一方、事件後マスコミに追われるミーアは映画の仕事に打ち込むが、事件の時に助けてくれた幼い少年のことが忘れられず、彼に会いたいという思いを募らせる。ミーアに花束を持って来たサイモンはミーアに少年捜しの手伝いを申し出る。

 サイモンからレックスがモロッコにいることを知ったミーアは、自分専属のメイクアーティストであるダーシーと共にモロッコを訪れ、宮殿へ向かう。一方宮殿では、謁見に来たレックスとスピルケンの目の前でモロッコ王が金属の体を持つエヴォとなってしまう。レックスは小型のマシンを放って攻撃するがモロッコ王に攻撃を弾かれてしまう。ピンチに遭遇するレックスとミーアを助けようとレックスを追ってモロッコに来ていたシックスがモロッコの王に銃弾を放つ。爆発したモロッコ王の体から飛び散る鉄片の刃でダーシーとスピルケン、シックスの猿一匹が負傷する。瀕死のスピルケンはレックスに助けを求める。しかし、自分と暮らすという約束を破りモロッコ王に自分を売ろうとしたスピルケンに激怒していたレックスは宮殿の床を破壊しミーアと死にかけの猿を連れて逃げる。

 後にプロビデンスのエージェントを従えシックスの援護に駆けつけたホワイトナイトは、レックスを逃がしたことでシックスを攻める。自分を信用しないプロビデンスへの不満と幼いレックスを殺すことへの疑問からシックスは任務続行を拒む。その後、レックスとミーアは宮殿の水路へ辿り着き、出口を求めてさまよう。(未完)



まあ、結末から言うとシックスはこのままプロビデンスをやめてレックスの冒険に加わるフラグですよね。あと、お揃いのゴーグルを家族の象徴と解釈すると、ミーアが水路でスピルケンのゴーグルを持っていることから、ミーアがスピルケンに代わってレックスの保護者となることも推測できます。
ボーボーに関しては、よく分かりません、というかサイボーグボーボーが何言ってるのかよく分かりませんorz

提供者に質問してみたのですが、「こんな登場のさせ方はコミックじゃない。ラフ画と大して変わんないじゃないか(怒)」と言っているあたり、英語圏の方もよく分かっていないのかなwww
ですが、広告の画像を見る限りではレックスと一緒に彼のマシンに乗っていたりするのでボーボーもいずれ仲間になると考えて間違いないでしょう。



レックスが無印ベン10のケビンのように擦れていない分、日ごろスピルケンになつき、甘えていたレックス。第2巻のはじめで家に帰ってきた時も「ぼくがマシンを作ったんだよ!帰ってきたんだよ、スピルケン!」と言ってスピルケンにハグします。そんなレックスがスピルケンから裏切られるシーンがなかなか重かったです。わわわっ、泣かないでレックス(´;ω;`)
なんでネタがいちいち重くて暗いんだろう…。



〈M. Rexの謎〉

打ち切りによって謎のままになっている部分を紹介します。
※以下、ネタばれも含むので追記表示にさせていただきます。


●謎の少女

解釈に悩んでいるのが第2巻のレックスがモロッコで見た謎の少女。青く光っていて黙ったまま幽霊みたいに消えて行きます。あの子はレックスの記憶の中の人物なのでしょうか、それとも夢?

アニメでワンピースキャラと言えばサーシーですが、どうでしょう?もしも、この子が家族であるとすればレックスにはお姉さんがいたのでしょうか?ちなみに、アニメではレックスにお兄さんがいます。2人の服についてるのビックリマークみたいなのが同じというのがさらに気になります…。


●猿の死体
第2巻の終りの部分でレックスはミーアと死んだ猿を連れて水路に逃げ込みますが、レックスがシックスの猿を抱いて逃げる必要はあったのでしょうか?
「M. Rex」のレックスは人形好きである描写が多く、猿には人形的な役割があるのでしょうか?それともこの後、この猿がボーボーになるのでしょうか?サイボーグボーボーは第2巻のはじめに五年後の未来の場面で一回だけ登場します。ボーボーのことはそれ以上触れられていないので詳細は分かりません。

ちなみに、アニメではロボットのボーボーとエヴォのボーボーが対決するエピソードがあります。おそらく、このアイディアはコミックのサイボーグボーボーが念頭にあるのでしょう。


●機械の王
アニメ「ジェネレーター・レックス」の筋には人間とエヴォ、人間と新種生物の対立・調和がテーマとして取り入れられているように思われる場面があります。それに対して「M. Rex」では、人間と機械。エヴォや殺人ロボ以外にミキサーやトースターといった電化製品も頻繁に登場しているのが印象的でした。

作中、シックスはレックスのことを「機械の王」と呼んでいます。なぜ、レックスはマシンを操るエヴォの力を持っていたのでしょうか?なぜプロビデンスがレックスを「機械の王」と見なし、命を狙うのでしょうか?

それにしても、第2巻の終わりでプロビデンスとホワイトナイトに反抗するシックスは良かったなぁ。アニメのシックスがレックスを拾った時の話もやっぱりシックスがホワイトナイトの反対を押し切って、レックスをかばおうとするんです。このアニメのエピソードは間違いなく「M. Rex」派生ですね、きっと。暗い設定ばっかしだから、こういう救いがすごくうれしい。

あと、レックスの泥棒設定も、アニメで紹介されるプロビデンスに入る前に香港に潜伏していた頃のレックスに反映されてる気がします。香港のエヴォギャングのボスと手を組んでいたとか、なんてクソガキwww


興味を持てるとっかかりも複数あって、やっぱり未完で終わらせておくのは惜しい作品な気がします。だからこそ、作品が12年の時を経てアニメ「ジェネレーター・レックス」に生まれ変わることができたのでしょうけど、Man of Actionはアニメの人気に乗じてコミックの続きを描いたりする予定はないのでしょうか?あったらぜひ読みたいなぁ…。


しーくれっとhttp://www.mediafire.com/?4s75bdv7f512t

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