2012年11月19日月曜日

We need talk about Kevin

Kevin Khatchadourian

最近、心を動かされた映画が「少年は残酷な矢を射る」(We need talk about Kevin, 2012)。日本語版の劇場公開は終わっていたので、英語版を観ました。
今回は、この映画の重要人物ケビンの絵です。


映画は、旅行記者の仕事を辞めたくなかったため子を産みたくなかった主人公エヴァと、生まれてきた息子ケビンの18年間を描いたものです。


エヴァの気持ちが通じてしまったのか、生まれて来たケビンは赤ちゃんの時から超反抗的。気持ちが通じ合わない親子の生活が16年間続いたある日、ケビンはある残酷な事件を起こしてしまうのです。

作品は事件後母親が過去を振り返るという形で現在と過去が繰り返し交差する構造になっているのと、説明的なテンポの落ちるシーンが極力削られているので人によっては分かりにくと感じるかもしれません。私はむしろそれが観客に疑問を抱かせて作品に引き込む効果抜群のよい技法だと思いました。

また、映像の光や色の使い方が絶妙で、ふつう赤の色がしつこく繰り返し出て来たらいやになるところも、他の色との調和がとれているからかあまり不快に感じられませんでした。


あと、一番すごかったのが登場人物の表情。エヴァのうつろな表情、幼児ケビンの不快な表情、そして青年ケビンのギラギラした目。どれもリアルでインパクトたっぷりすぎで、なんだか見てると不安になるくらいうまいんですw

気持ちに余裕がなく息子に対して厳しくしてしまうエヴァと、常に爆発寸前の不満を抱えているケビン。何が悪かったのかは容易に答えが出る問題ではないと思います。結末はどうあれ、そんな親子二人を描ける迫力ある表現力に感嘆しました。


ちなみに、AmazonでDVDが発売されるのは12月21日からだそうです。私も日本語版では見ていないのでDVD予約しようかと思っています。みなさんもぜひご覧になってください。

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